ワークフロー・システム ~承認ルートの設定は自由度の高い方がよい?~

 あなたの会社にも、念願のワークフロー・システムが入ることになりました。
 今、製品選定をしています。
「承認ルートの設定は、自由度の高い方がよい」という意見が多数出てきました。

 これって正しいのでしょうか?
 よく考えておきましょう。

 まさか、紙帳票の回覧ルートそのままをワークフロー・システムのフロールートにしようとしていないですよね。

 紙帳票の回付とワークフロー・システムの帳票フローの一番の違いは、ワークフロー・システムでは、並行処理ができる点があります。紙帳票だとシーケンシャルにしか回付できませんが、本当にその順番に意味があるのでしょうか。そうでないとしたら、並行処理に変更しましょう。

 自由度の高い承認ルートにしたいというニーズがある場合、よくあるパターンとして、規則ではこうなっているが、個別には違う回付の仕方をしているという事情がある場合があります。だからと言って、次の承認者を指名する指名型承認者をむやみに増やすことは感心しません。
  これまで、業務手順書に記載されていない仕事の仕方をしていたのだとしたら、そもそも、そのような個別に対応している処理の仕方について、正しい方法なのか、もっといい方法はないのかをよく検討した上で、フロールートの固定部を増やし、都度の追加部は最小限度にする必要があります。

 紙帳票の場合は、「見といてね」のレベルで回付されていることもあります。そのような方には、ワークフロー・システムの閲覧権限を付与することで、承認フローから外すことができるので、承認処理が速く終わります。

 承認ルートの設定の自由度が高いことは悪いことではないですが、 承認ルートの設定の前に、まず属人性をできるだけ排除し、業務手順を確立することが重要であるように思います。

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