DX時代の企業経営を支える文書情報マネージャ―

デジタルトランスフォーメーションにおける文書情報マネジメントの役割

 経済産業省から「2025年の崖」の指摘があっても、実態は表面上の取組みだった「デジタルトランスフォーメーション(DX)」でしたが、新型コロナ感染症対策のため、「テレワーク化」が急減に進行し、「押印廃止」に代表される「紙帳票・紙文書の廃止」に、本気で取り組む企業が増えてきています。

 これを期に、多くの業務を紙中心に行って来たことに気づいた企業も多いと思います。紙をスキャンして、電子化することを目指す「ペーパーレス化」に留まると、DXには、とても行きつきません。

 業務の本質を見極め、組織として目標を持ち、単に、ITツールを導入するだけでなく、人財育成、組織文化、モチベーションの向上を伴った活動が必要となっています。この考え方は、文書情報マネジメント・文書情報マネージャ―の考え方と同じです。

 是非、文書情報マネージャ―認定セミナーを受講頂き、また、その後の文書情報マネージャ―間の情報交換の場である「研究会」などに参加頂き、DX推進の活用頂きたく存じます。

経営にとっての文書情報マネジメントとは

 今の企業経営や組織の運営には、ガバナンス、コンプライアンスはもとより、事業継続も強く求められています。

 これまでは勘と経験でなんとかなった企業経営も、過去の経験に裏打ちされ、同じ間違いを犯さないように、しっかりとした情報をもとにした経営が必要となっています。このベースとなるものが、業務の中で作成したり入手したりするさまざまな文書であり、記録です。
しかし、これら文書や記録がたとえ残されていても整理し、管理されていなければ必要な時に活用することはできません。

 社会環境が激変している現在、過去のことは忘れて新しいことにのみ目を向けていればいいとする考えでは、将来にわたって組織を安定的に残すことはできません。組織が経験した過去の知識や経験を生かすことで、不要な失敗を防ぎ、無駄な手間を省くことができるようになります。
文書情報マネジメントは経営の継続、技術の伝承のための手段であり、次世代に繋げる重要な方策の一つです。

文書情報マネージャーとは

 この認定制度は、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)が主催し、2013年に開始しました。

 これまでの文書管理、記録管理に関する手法は、ほとんどが存在している書類や情報をいかにうまく整理するかに力 点が置かれていました。
 しかし昨今の状況から、経営の観点から見た情報の重要性を認識し、どのような情報や記録 を残し、活用するかといった、従来にはない視点で文書や記録を取り扱い、管理できる人材の育成が必要とされてい ます。この様な人材を文書情報マネージャーとして認定します。

 文書情報マネージャーは、実際に文書情報を取り扱っている部門に属し、文書情報の最適なマネジメントを立案し改 善・改革に取り組むことができる人材です。

文書情報マネージャーが取り組むべき課題

 「ファイルサーバが巨大な情報のゴミ箱になっている」、「会社の情報が属人化し、本人以外は必要な情報を見つけられない、後継者・関係者の参考になっていない」、「リスクのある文書の管理が徹底できていない」、「海外との訴訟にも対応できる文書の管理が出来ていない」などは各企業の共通課題となっています。

 これらの対策には、業務を実施するそれぞれの部門が、法務部門、情報システム部門、総務部門などの専門部門と連携して、常に文書情報を適切に取扱う業務規程の見直しや、システム運用を行いく必要があります。さらには、部門横断的な課題に対しては、各業務部門が連携していかなければなりません。

文書情報マネージャーを目指していただきたい方

 組織内で文書情報マネジメントを立案し実行する、部門の管理者またはその補佐を行う方や、文書情報マネジメントを担う専門家を目指している方などを対象としています。

文書情報マネージャーに求める資質

 この資格は、文書情報の大切さを理解しており、組織内に対して文書情報をどのように取り扱えばいいのかの指示を出せる知識を持つことを求めています。

 また、業務内容によっては文書情報マネジメントに対して求められるものが異なってくる場合もありますが、本質を理解し文書情報をマネジメントしてその業務に求められていることに対応できることが大切です。

 具体的には文書情報マネジメントに対する次のようなことを身に付けていただきます。

  • 業務の本質を理解している(何のための業務か、必要な文書は何か)
  • 必要に応じて、業務の流れも変革できる
  • 新しい社会環境、技術環境に対して対応することができる
  • 役員(統括文書情報管理者)に対して文書情報マネジメントの重要性を提言できる
  • 自部門の文書情報マネジメントに関して適切な指示が出せる

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