和歌山県橋本市 初めての電子決裁機能付き公文書管理システム導入事例 ~いかにして、円滑な運用を実現したか~
※この記事は、機関誌IM2025年7・8月号の再掲記事となります。掲載当時の情報に基づいているため、現在の状況や制度、取り組み内容と一部異なる場合があります。

和歌山県橋本市 総務部総務課 文書統計係長
岩坪 康夫
昨年度の市区町村での電子決裁機能付き公文書管理システムの導入率は、内閣府調べでは約42%であった。まだ、半数以上の市区町村が未導入である。橋本市では、令和6年度から電子決裁機能付き公文書管理システムの運用を開始したが、大きなトラブルなく現在も運用可能となっている。本稿では、導入にあたっての課題やうまく運用が回っている背景、その理由について、同市の文書統計係長である岩坪氏に執筆いただいた。


■橋本市について
橋本市は、和歌山県の北東端、紀伊半島のほぼ中心に位置し、紀の川に沿って東西に延びる大和街道と京都から高野山に至る高野街道が交差する山間部の地方都市(令和7年1月末現在の人口:58,751人)です。平成18年3月に旧橋本市と旧高野口町が合併し、今年で市制施行20周年を迎えます。年間を通じて温暖な気候であり、スポーツ振興に力を入れています。著名な出身者として日本初の女子五輪金メダリストである前畑秀子さんやプロ野球選手の筒香嘉智さんがいます。筒香さんが建設した総合スポーツ施設「筒香スポーツアカデミー」では、子どもたちが日々スポーツを楽しんでいます。
これまでの公文書管理状況と改善活動市町村合併時の状況について
橋本市の公文書管理システムの導入事例を紹介する前に、その前提となる公文書管理の状況について説明します。私が初めて総務課(文書担当課)に着任したのは平成19年4月、市町村合併から1年が過ぎ、新市・旧市・旧町の公文書とルールが混在し、旧市町の課題を整理できていない時代でした。
合併後の本庁舎は旧市のものを使用し、旧町の本庁舎は出張所となっていました。文書管理のルールも旧市のものが採用されていましたが、合併前に作成された文書は、旧市・旧町それぞれのルールで管理することになっていました。文書の保管形式は、旧市は簿冊(ファイル)形式、旧町はフォルダ形式でした。旧町では紙文書の文書管理システムが導入されていましたが、文書量が多い旧市では導入がされていなかったため、新市には導入されず、Excelで作った台帳(保存文書管理簿)を紙に出力して管理する方式となっていました。
総務課が管理する共用の書庫については、旧市に1箇所、旧町に4箇所の計5箇所あり、いずれも課題を有していました。旧市の書庫(以下、教育文化会館書庫)は本庁舎の裏にあり、利便性は高いのですが、通路に文書や荷物が積み上げられ、奥の書棚にたどり着けなくなっていました。また、簿冊に規程で定められた背表紙が付されておらず、一見して廃棄可能時期がわからないものが多くあり、文書の廃棄も十分に行われていませんでした。旧町の書庫はいずれも老朽化が激しく、雨漏りがする、夏場が高温であるなど文書の保存に適した環境ではありませんでした。加えて、合併後の事務処理を円滑に行うために旧町の書庫にあった文書を新市の本庁舎に勝手に移動させている部署が多数あり、文書管理システムに登録された保存場所に文書を取りに行っても該当の文書が存在しないという問題も生じていました。
これまでの公文書管理状況と改善活動について
上記の状況を改善するためにまず行ったのが、書庫の使用方法の啓発・指導です。書庫に文書以外を持ち込まないこと、廃棄可能なものは廃棄すること、システムで管理しているものは許可なく持ち出さないこと、規程で定められた背表紙を付けることなど基本的な啓発や個別指導を行いました。
その中で保存期間が定められていない文書が多数あることが判明します。本市の文書分類と保存期間は「文書分類表」という紙の冊子にまとめられていましたが、この冊子の電子原稿がなかったため、内容の更新が止まっていたことが原因でした。そこで、その冊子を1年かけてExcelで作り直して庁内ネットワーク上で公開し、その内容を正として、変更がある場合や新しい分類を作る場合は総務課に連絡するルールを作りました。併せて、永年保存設定の文書が多い部署や内容の軽重を混同し簿冊に綴っている部署には、個別のヒアリングや指導(協力依頼)を行い、保存年数の適正化や長期保存文書の縮小化にも取り組みました。
また、廃棄作業を円滑に進めるため、保存文書管理簿の様式を変更し、紙の管理からExcelによる電子管理に移行させました。この様式変更は、廃棄可能冊数の「見える化」と保存文書の一覧から廃棄目録を容易に作成できる仕組みを導入することで、廃棄作業のハードルを下げることが狙いでした。
次に、5箇所あった書庫を有限保存書庫と永年保存書庫の2箇所に整理しました。
まず、本庁舎の裏にある教育文化会館書庫は、とにかく整理と廃棄を進めました。庁舎自体も文書であふれていたため、書庫の整理を進めても次々と庁舎から文書が運び込まれ、慢性的な保存場所の不足が続きましたが、地道な指導と各課の協力により通路の文書や荷物が撤去され、保存文書に背表紙が付されたほか、定期的な廃棄や整理の習慣が定着するなど、一定の成果が得られました。

老朽化した旧町の4箇所の書庫については、出張所の閉鎖と周辺整備事業に伴い、出張所の一部を転用して、平成19年度から4年間かけて高野口書庫として集約しました。
旧町の文書は紙文書の文書管理システムで管理されていたので、文書の移動情報をすべて変更するとなると膨大な作業量となります。そこで、登録内容を変更しなくていいように棚ごと移転させた上で、読み替え表を作成し、旧 ○○書庫のA書架は、○階○部屋のA書架などシステムの機能に独自の工夫を組み合わせて対応しました。その際、システム導入後に書庫を移動させる難しさを経験しました。この移設作業は、予算がなかったため、私が現場監督となり文書の運搬や既設の書架の解体設置を他課の職員と一緒にすべて直営で行いました。このとき一緒に現場作業をしてくださった先輩方が今では所属長や文書主任になっています。
なお、この高野口書庫は市街地にあったため、平成24年度に他の用途に使用する方針が決定し、代替措置として山中にある施設を書庫に改修し、移転することになりました。この移転に際し、本庁舎裏にある教育文化会館書庫を保存期間が10年までの有限保存書庫、山中にできる赤塚書庫をそれ以上の期間保存するための永年保存書庫として役割を分けました。
この他、文書記号の整理、発番管理のExcel化、公印管理の実態調査とルール整備、文書事務の手引きの作成、新規採用職員向け研修などを実施しました。これらの業務を通じて、市役所の機構や決裁権、部門・職種ごとの法規・慣例を知ることができ、共通ルールを作り、運用してもらうことの難しさを学びました。

残った課題
本市の文書管理の最大の課題は、慢性的な保存場所の不足でした。これを解決するには、施設を増築するか、保存する文書量を減らすかの2択です。本市の本庁舎は、建築から40年近く経過し、建替えを検討する時期でしたが、財政状況の関係で先送りとなっていました。施設の増築は難しく、文書量を減らすことが現実的な選択肢でした。また、新庁舎が建設された際の移転作業で文書が紛失するリスクにも備える必要がありました。
そこで平成24年度に議会資料の電子化に取り組みました。これは、昭和30年度から平成17年度までの旧市・旧町の議会資料(永年保存)を電子化した上で紙文書を処分し、今後も増加する議会資料の保存場所を確保することが狙いでした。電子化する作業自体は完了しましたが、最終的に方針が変更となり、紙文書の廃棄には至りませんでした。既存の紙文書を電子化する手法や電子化された紙文書の使用感、検索性などを体験できたことはメリットでしたが、重要な紙の文書を廃棄することへの職員の抵抗感や電子保存に対する職員の信頼の低さも同時に経験しました。
他の課題としては、保存文書管理簿や発番管理をExcelに移行したことで、紙より作業は楽になりましたが、決裁文書の作成とは別に情報を入力する手間があることや入力作業をしなくても事務の執行に制限が生じないことから入力漏れが生じるなど、事務の無駄や抜け漏れが未解決でした。また、決裁文書が紙であることから、1日休暇を取ると机上に文書が積み上がったり、決裁の進捗も把握できないため、部課長の席で決裁が止まっていないか問い合わせたりする光景が日常となっていました。庁外職場においては、本庁に文書を回付のために車で移動する必要があり、事務処理に時間がかかっていることも懸念事項でした。
上記の課題の解決には、電子文書も管理できる公文書管理システムと電子決裁の導入が不可欠でしたが、財政状況が厳しいことと「現状でも事務ができている」という実情から、当時は選択肢にも上げられませんでした。
公文書管理システム導入提案1回目
令和2年4月に再び総務課に配属されましたが、残存課題は依然として変わっていませんでした。電子決裁機能付きの公文書管理システムの導入を検討し始めたのは、令和3年12月のことです。システム会社の方から「コロナ禍を境に導入する自治体が増えている」とデモ鑑賞のお誘いをいただいたのがきっかけでした。
デモを見せていただいたたものの、そのシステムで事務を上手く進めるイメージができず、それ以上のお話はお断りしました。お断りはしたものの、システムを導入している自治体は何を決め手として導入を決定したのだろうかと疑問を持ちました。そこで、複数のシステム会社様にシステムデモをお願いすることにしました。
2社目に見せていただいたシステムには、添付ファイルを開かなくても閲覧が可能なプレヴュー機能などが実装されており、「これなら使えるかもしれない」と感じました。同時期に庁内で新型コロナウイルス感染症対策交付金を活用した予算要望調査があり、急ぎ企画書をまとめて令和4年1月に提出しました。企画書の審査と並行して各社にシステムデモを依頼し、6社にご協力をいただきました。「使えそう」というのは私の感覚であって、上手く言語化ができないと思いましたので、3社目以降からは課長や係員に交代でシステムデモに参加してもらい、最新の電子決裁機能を備えた公文書管理システムがどういうものかを視覚から知ってもらうことで「使えそう」という感覚の共有を図りました。特に電子決裁を見たことがない人に言葉だけで理解してもらうことが難しかったので、課内の職員間で視覚からイメージを共有できたことは大きかったです。
当時の話ですが、「電子決裁」というものは、単純に考えればシステム上で決定行為の記録を付ける処理に過ぎず、既に導入済みの他の行政システムでも同様の処理を行っているはずなのに、不思議なことに「決裁」という言葉を使うと途端にイメージが結びつかなくなるようで「印鑑はどう表示されるのか」などの質問が普通に出ていました。「決裁=紙と印鑑でするもの」という、概念が大げさな言い方かも知れませんが「市役所の文化」として定着しているように感じ、これを変えていく、他の職員に理解してもらうことが大きな壁になる予感がしました。そこで、システムデモに参加していない部長等の幹部職員への説明には、システム会社様の資料に加え、独自で簡易なイメージ図やフロー図を作成して説明しました。
令和4年1月の企画書の審査の話に戻しますが、結果は不採択でした。市民生活に直結する事業が優先されたためです。幹部職員や企画部門の職員に説明した際の印象は「必要なことだとは理解できるが時期尚早である」という感じでした。文書担当課以外の職員にも必要性や有用性は感じてもらえたので、今回は不採択となりましたが、継続して調査研究を続けることにしました。
公文書管理システム導入提案2回目
年度が変わり、令和4年5月に令和5年度当初予算に関する新規事業の募集が始まったので、令和5年度に1年かけてシステムを構築し、令和6年4月から運用を開始するスケジュール案で企画書を提出しました。この2度目の企画書が令和4年10月に採択されました。

採択の背景としては、令和4年度に全国的に自治体DXという動きが活発になったことが挙げられます。本市においても3カ年のDX推進計画が作られ、令和5年度中に市民から電子申請を受け付ける体制を整備し、令和6年度からそれを電子で決裁処理をするという流れが計画されました。また、電子契約も導入することになりました。
2度目の企画書の審査を受けていた頃に内部でよく言われたことは、「遅い」「高い」という言葉です。この頃には、県内でも同様の動きが出てきており、市長や幹部職員から導入に反対する意見がなかったことはありがたかったのですが、「スケジュールが遅い」「経費が高い」というご指摘をよく受けました。そして、枕詞のように「電子決裁の」という言葉が付いていました。
この指摘に対し、本市が導入を目指すものは、「電子決裁システム」ではなく「電子決裁機能付きの公文書管理システム」であることを説明しました。文書事務の電子化は「収受→起案→決裁→施行→保管・保存(活用)→廃棄」の文書のライフサイクル全体を電子化するものであって、決裁はその一部に過ぎないこと、保管・保存された文書を管理し、活用するためのシステムやサーバが必要であること、システムは道具に過ぎず、単にシステムを構築するだけではなく、システム外の運用部分も抜本的に見直す必要があること、自治体ごとに前提条件や実施内容が異なることなどを説明し、時間と経費がかかることに理解を求めました。
なお、令和4年度の公文書管理システム関連の取組みは、調達用の仕様書の作成と総務課が定める決裁様式以外の専用様式で決裁を行っている各課の固有業務を、公文書管理システムに移行できないか検証した程度に留まりました。
※1 LGWAN(エルジーワン)=地方公共団体や政府機関が相互に接続する行政専用のネットワーク環境のこと。インターネットとは切り離された閉域ネットワークで、高度なセキュリティ対策が施されている。
業者選定から運用開始まで、日程と主なアクションなど
業者選定については、競争入札は不向きと考えましたので、令和5年2月から4月にかけて公募型のプロポーザル方式で実施しました。事業者を選定する委員は、職員が使うシステムですから、外部の方ではなく、職員の中から年齢や職種に関係なく広く募集しました。幸いなことに、若手職員の立候補がありましたので、そこに管理職を組み合わせることで、複数の年代や職種による多角的な審査を実施できました。また、選定委員の公募には、公文書管理の電子化を職員に予告するとともに、他課の協力者を増やす狙いもありました。
導入担当者として、導入するシステムに求めたものは2点です。1点目は必要な機能が揃っていること、2点目は他の職員が「なんとなくできそう」と思えることです。文書管理システムは、ほぼ全ての職員が使うものになるため、週に一度くらいしかパソコンを触らない職員や供覧機能だけを利用する職員にも使ってもらわなければいけません。システムを選定した後、普及させ、定着させる業務が待っていますので、見た目で拒否反応を示されると、どんなに機能が優れていても先に進めなくなります。
担当者としては、直感的に操作ができ、他の職員に「なんとなくできそう」と思ってもらえるシステムが選ばれてほしいと考えていました。
1点目の必要な機能が揃っているかどうかは、仕様書に基づく審査で確認ができますので、選定委員の方には主に2点目の要件を判断してもらいました。具体的には「そのシステムで自分の仕事ができるかどうか」「他の職員でも使えそうかどうか」という2つの視点で審査をお願いしました。
審査の結果、コニカミノルタジャパン株式会社が提案するアクティブシティ(株式会社シナジー製の公文書管理システム)を導入することになりました。コニカミノルタジャパン株式会社とは、令和5年5月末に契約を締結し、構築作業に入りました。主なアクションは表3のとおりです。

文書管理ルールの変更について
従前の文書管理のルールは、紙で処理することを前提に作られていましたので、システムで処理する場合に適した形に見直しました。大きく変更すると職員がついて来れないと思い、基本的な考え方は維持したまま、システムの標準機能を使う方向で調整しました。
例えば、文書分類表の見直しです。従来は、全庁共通の文書分類表でしたが、システムとの相性を考え、各課に一定の裁量権を与えるスタイルにしたかったので、各課別の文書分類表に変更しました。
決裁文書の作成方法については、システムが使える環境にある部署では、電子決裁を必須としました。紙の決裁を残すと、ファイル管理簿の同時作成などのメリットが失われるからです。ただし、軽易な回覧文書や添付資料については紙を認めました。冊子など製本されている文書をスキャニングする行為は時間がもったいないですし、セキュリティの関係上システムがLGWAN環境から分離されているものもありますので、一定の柔軟性は必要だと考えました。
また、施行文書には公印を押しますので、一般的な公印の承認ルールやシステム出力型の公印の承認ルールなど実際の運用をイメージしながら、導入するシステムでどう運用するかを検討しました。同時に電子契約も導入したかったので、文書管理システムと組み合わせた運用方法を検討しました。
過去分の紙文書のシステム登録について
過去分の保存文書の目録は、システムに登録しませんでした。そこまで出来れば良かったのですが、実際に入力するとなると、外注する予算がないため、職員で入力することになるので割り切りました。文書管理については、過去の経験上、背伸びをしても実がついて来ない傾向にあると思っていますので、導入に集中して着実に遂行することを優先しました。過去分の保存文書自体の電子化についても同様の理由で見送り、書庫の情報なども最低限のものに限定しました。
ルールの変更については、当然ながら職員に説明し、理解を得なければなりません。そこで、私の方で素案を作り、課内で点検し、方針決定の決裁を伺った上で、管理職や文書主任などに段階別に説明会を開催しました。また、文書管理システムの操作についても、全ての職員が使うものですが、立場によって使い方や関わり方が変わってきますので、システムデモ、操作実習、テスト稼働期間など段階を分けて実施しました。
導入後すぐの効果
決裁文書の電子化の効果は、間もなく出てきました。原則的に紙による決裁を認めないルールとしたこともあり、全体の8割が添付文書も含めて電子化できました。
残り2割は紙の資料が残っています。設計図書など工事関係の資料は審査の関係から紙となっています。LGWAN環境に接続されていないシステムで作成される資料も紙が多いです。資料の電子化が適合するかどうかは、業務の種類によって相当差があるように感じます。また、決裁文書を作成することと、保存してある決裁文書を検索し、活用することは異なりますので、資料の在り方は、継続的に運用する中で整理されていくと思います。

私が作成する文書に限っては、紙を使う機会がぐっと減りました。この1年で紙の資料を添えたのは1回程度です。ただし、審査の関係で出力して内容をチェックすることはあります。紙の保存量が減ったことで、机や椅子を置けるスペースが以前より広くなったという声もあります。この辺りの効果は、数年後に目に見えて現れてくると思います。
導入プロジェクトの振り返り
導入を支援してくださったコニカミノルタジャパン株式会社様と株式会社シナジー様にはしっかりとご対応いただいた印象を持っています。Web会議で何度も打ち合わせをしていただき、細かな点をフォローいただけました。本市のような地方都市の場合、Web会議は時間も節約できてありがたかったです。
会議の際に印象的だったことは、文書事務の用語や考え方に食い違いがあったことです。文書事務は、全国どこの自治体でも行われていますが、横のつながりが必須な分野ではないことから、独自のルールが生まれやすい分野だと気づかされました。私が全国共通だと思っていたことが和歌山県内のルールであるなど、興味深い経験をしました。トラブルなどもありましたが、丁寧に根気よくご対応いただいた両社には厚く御礼を申し上げます。
そして、最も感謝しているのは、黙ってついて来てくれた本市の職員たちです。正直、電子決裁機能付き公文書管理システムを導入しなくても日々の仕事はできますし、業務の合間を縫ってシステムの操作を覚えることは大変な負担だったと思います。言いたいこともたくさんあったとは思いますが、必要なことだと理解して試行錯誤しながら習熟に取り組んでくれたことに大変感謝しています。振り返れば反省ばかりですが、それでも何とか形にできたのは、職員の協力があったからに他なりません。身内を褒めるのは適切ではないのかも知れませんが、公務員の実直さと協調性の高さを改めて強く感じました。
DXへの貢献とこれからの目標
電子決裁機能付き公文書管理システムの導入は、本市における大きな転換点だと思っています。文書管理システムは手段であり、これ自体が特別ではありません。
しかし、文書管理システムの導入を通じて、役所に根付いた「決裁=紙」という固定概念がなくなったことで、今後、私が思いつきもしない運用や制度を考え出す職員がきっと出てくると思います。文書管理システムを実際に使った経験から、システムの利点だけではなく弱点にも着眼し、再び紙やエクセルに戻るシーンもあるかも知れませんが、改善を繰り返し、本市のDXを前進させていきたいです。今回のシステム導入に対する評価は、10年後に出るものと思っていますので、そのときに向けて、定着と改善に継続して取り組んでいきます。




