第17回JIIMAベストプラクティス賞授賞事例について

第17回JIIMAベストプラクティス賞授賞事例について

令和5年9月20日

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会

理事長 勝丸 泰志

 日本文書情報マネジメント協会(略称;JIIMA)は、65年にわたり文書情報マネジメントの普及啓発に努めているこの業界で国内唯一の公認団体です。マイクロフィルムの普及からスタートした活動は時代の変遷とともに変化し、現在では「日本のあらゆる組織の価値を高めるために、文書情報マネジメントの実践を通じてDXを加速するようにリードする協会」を目指して、文書情報マネジメントを普及啓発する公益活動を続けております。その一環として2007年(平成19年)より先進的な文書情報マネジメントシステムを導入し、顕著な成果を出された企業・団体に対して『ベストプラクティス賞』を設け表彰しております。
 本年度の第17回JIIMAベストプラクティス賞は、審査委員会での厳正な審査の結果、下記の3事例に授賞が決定し、JIIMAホームページで公表すると共に、11月14日(火)から開催予定のJIIMA主催 『デジタルドキュメント2023ウェビナー』で受賞記念講演を行います。

<記>

(以下、敬称略)

1.市立芦屋病院 【優秀賞】

・推薦者;日本調剤株式会社

・テーマ;「電子処方箋をコアにして、医薬連携、地域連携も視野に入れたデジタル基盤を構築し、患者安全、医療者従事者の働き方改革を目的とした院内のペーパーレス化」

・評価ポイント;電子処方箋の早期導入と、周辺地域への導入推進に積極的に取り組まれている点を評価した。

【先進性】
電子処方箋の導入は、医療の質の向上、患者ケアの効率化、データの有効活用など、さまざまな面で先進性があると考えられるが、未だに導入率が数パーセントである中で先駆けて取組んだことが先進的である。

【特記事項】
テーマにある、「患者安全、医療者従事者の働き方改革を目的とした院内のペーパーレス化による情報連携と活用を実現する。」ということが応募書類では見えないので、受賞記念講演の際は、この点をアピールしていただきたい。

2.小田原市 【優秀賞】

・推薦者;ナカシャクリエイテブ株式会社

・テーマ;「『おだわらデジタルミュージアム』創設プロジェクト〜小田原市所蔵文化財の包括的デジタルアーカイブの構築〜」

・評価ポイント;国が掲げているデジタル田園都市構想の事例で、この様な分野で採用されるということは評価できる。また、整理が不十分だった文化財資料のデータベースを構築し、5施設の所蔵資料を一元的に管理できるようになったことで、業務の効率化と情報共有へとつながった点や、資料のデジタル化は貴重な文化財の長期的な管理と保存にも寄与している点も評価できる。

【先進性】
様々な種類の資料に対して、その性質や状態に適した撮影方法を駆使しデジタル化している点が特徴的で、自治体において、これほど多種多様かつ大量の文化財を対象とし、多彩なコンテンツを一挙に搭載した包括的デジタルアーカイブは例がなく画期的である。さらに、小田原市の都市OSとも連携しており、国が推進するスマートシティ構想に基づく文化財保存活用事例としても先駆的役割をなすものである。

3.太陽化学株式会社 【奨励賞】

・推薦者;富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社

・テーマ;「完全ペーパーレス化による受注業務の変革~育児時短&残業ゼロ&テレワーク可能な職場環境づくり~」

・評価ポイント;コロナ禍を契機に大きく働き方の見直しを図られ、完全ペーパーレスによりその環境をスピーディに確実に構築したことが評価できる。さらに、本取組みにより、自分たちでさらなる効率化を考え実行されており、従業員の意識改革につながっている点も評価できる。

【特記事項】
注文書(活字/手書き)のOCR 処理で先進性に乏しいため優秀賞には該当しないが、実施による定量的な効果測定もしっかりされており、専任担当者が持つノウハウや作業効率化のコツ等の暗黙知の見える化を行い、専任担当者でなくても同じ業務を実行できるように業務を標準化した好事例である。

以上

第17回JIIMAベストプラクティス賞受賞事例について(pdf)

■JIIMAについて
公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、文書情報マネジメントの普及啓発に関する事業を行い、文書情報の利用者に貢献するとともに関連産業の振興を図ることを目的とする公益法人です。1958年に日本マイクロ写真協会として設立し、1995年に社団法人日本画像情報マネジメント協会に改称後、2013年に内閣府から公益認定を受け現在の協会名に改称しております。公益事業としては、文書情報マネジメントに関する調査研究、関連規格の作成及び標準化の推進、展示会・セミナー等の開催、人材育成、電子帳簿保存法関連のソフトウェア認証等を行っています。

■本件連絡先

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会
事務局長・渉外担当部長 黒柳 裕士

〒101-0041
東京都千代田区神田須田町2-19 ライダーズビル7階
TEL 03-5244-4781 FAX 03-5244-4782