電子処方箋による医療DXの実現に向けて 市立芦屋病院 インタビュー  ~医療現場における利点と懸念~

取材 JIIMA医療市場委員会
協力 市立芦屋病院(兵庫県芦屋市)

※この記事は、機関誌IM2023年9・10月号の再掲記事となります。掲載当時の情報に基づいているため、現在の状況や制度、取り組み内容と一部異なる場合があります。

 令和5年1月26日から、準備の整った医療機関・薬局で利用ができるようになった電子処方箋。電子処方箋が普及することにより、医療の質の向上や誤薬のリスクの軽減につながると期待されています。しかしその反面、導入にあたり現場の作業負担増や導入コストなど多くの課題があげられています。
 本記事では電子処方箋を実際に運用されている病院にインタビューを行い、電子処方箋の利点や導入の背景、現在の進捗状況についてお尋ねしました。さらに、電子処方箋がもたらす可能性や課題にも触れ、今後の展望についても考察します。

■市立芦屋病院について

 開院70周年を超え、兵庫県でも歴史ある市立病院です。医療分野の情報通信技術(ICT)化についても積極的に取り組んでおり、オンライン診療や地域医療施設・福祉施設等とのカンファレンスの開催なども積極的に行っています。また、マイナンバーカードを利用した医療情報の確認や電子処方箋の運用も開始しており、今後、期待される人工知能(AI)を活用した画像診断支援などにも積極的に導入検討を進めている先進的な病院でもあります。

─今回、貴院で電子処方箋を導入した理由は何でしたか?

 当院の「市立芦屋病院経営強化プラン」において、ICT化の取り組みを重要な課題としており、その具体的な施策の一つが電子処方箋の導入でした。そもそも国の政策としてオンライン資格確認というものが始まった段階で、電子処方箋も行われると考えておりましたから、こちらについてもすぐに取りかかれるよう準備しておりました。

 また、自身の病院で処方された薬がきちんと薬局側で調剤されたかどうかや調剤した薬剤師の氏名まで確認することができ、病院と薬局の連携に貢献することで医療の品質の向上になると感じております。当院では地域の医療機関とも連携を強めていきたいという思いがあり、電子処方箋もそのツールの1つとして使っていきたいと考えていました。
 当院の方針や、他医療機関で出された薬との飲み合わせのチェックを行うことができるようになるということ等にメリットを感じたことから、電子処方箋の導入を判断したということになります。

─ICT化の推進と地域連携の強化、この2つの計画から電子処方箋の導入が決定されたということでしょうか?

 そうですね。その両輪がうまくかみ合ったタイミングが、電子処方箋の導入につながったと考えています。

─電子処方箋の導入にあたり、どのような準備や作業、具体的な課題がありましたか?

準備として、HPKIカード※1を早期に取得するようにしました。このカードを持つことが電子処方箋を取り扱う業務の前提としてありましたので、医師の方々に理解が得られるように説明を行いました。開始当時はまだ医師の方々もHPKIカードの取得について必要性を理解されていない方もおりましたが、この点について幹部や担当者から丁寧に説明を行うことで理解を得ることができました。

 次に、当院の薬剤情報と厚労省が定めている薬剤情報の紐づけを行わなければならない作業があり、これは薬剤部にお願いして紐づけ作業を実施しました。工数としてかなりの負担とはなりましたが、薬剤部一丸となって取り組んでくれたおかげで無事に作業を完了させることができました。

※1  「 Healthcare Public Key Infrastructure」の略称で、医療関係者が電子処方箋などの医療情報を安全にやり取りするためのカード。HPKIカードは、医療関係者以外の不正なアクセスや情報漏洩を防ぐため、ICカードなどのセキュリティ機能が備わっており、薬局で処方箋を受け取ったりする際に、セキュリティが確保されたやり取りが可能となる。

電子処方箋に関係する病院スタッフ。左から角田延子氏(薬剤部担当者)、岡本禎晃氏(薬剤部長)、南正人氏(芦屋病院病院長)、
細山正之氏(医事課長)、加藤創佑氏(医事課電子処方箋担当)。彼らのがんばりにより電子処方箋の導入が進められた。

─電子処方箋の導入後に生じた課題や改善点はありますか?

 当院から発行した電子処方箋を受領できる薬局さんのほうで何度かテストさせていただいたのですが、データの読み取りができない等の理由から処方箋のデータがエラーになる場合があります。その際、どのような対応をすればいいのかまだ固まっていない部分があります。当院が発行した電子処方箋にミスがあったのか、システム的なエラーなのか、調剤薬局さんの設定に不備があったのか、エラー表示だけではすぐに原因究明ができないので対応が遅れてしまいます。すぐに修復対応できない状態では患者さんにご迷惑をおかけしてしまうので、結局は紙の処方箋をお出しして対応することになります。
 今後、電子処方箋を本格的に導入していけば、すぐに原因究明できないエラーは確実に発生することになると思います。その際に誰が責任をもって対応するのか、そのあたりが課題となるのではないでしょうか。

─ カルテの情報と薬剤のコード情報の紐づけとは具体的にどのような作業になりますか?

 電子処方箋のコードを確認する際、全国で統一されたコードと名称を一致させる仕組みなのですが、病院ごとに独自で設定されている名称やコードが違っているので、それを一から設定し直すという作業になります。

電子処方箋の処方情報(イメージ)
患者によっては処方されている薬の種類によって、併用禁忌のアラートが表示される。

─ システム自体の導入にあたってはとくに問題はなかったのでしょうか?

 今回の電子処方箋を組み込むシステム改修はソフトウェア・サービスさんに改修していただいたのですが、ソフトウェア・サービスさんのほうでも初めてのことであり、厚労省からの仕様書が発表されてからの開発作業でした。そのため、都度それらの発表にあわせて対応を行うという必要がありました。ただ、今回の開発作業ではソフトウェア・サービスさんのほうでも非常に積極的に関わってくれたので、苦労はしましたが無事に完成に漕ぎ着けることができました。
 システムとしての不安はそれで解消されたのですが、実は他院で導入に向けて取り組んでいる病院が少ないというのは把握しておりましたので、当院だけで電子処方箋の導入を推し進めていいのかという不安はありました。

─ HPKIカードがなかなか配布されないというお話を聞いたのですが、この点については特に問題は?

我々が申請した当時は、ある程度の期間で発行されましたが、未だにカードが届いていない医師もおります。現在は申請者が増えてきており、なかなかカードが発行されない状況だと聞いておりますので、今後必要となる方が申請してから発行されるまでに時間がかかるのは問題になると考えています。

─ HPKIカードに対する取得について、医師の方々はどのように感じられていたんでしょうか?

 院内の医局会で説明をして医師の方々に取得申請をお願いしたという流れですが、やはり最初はあまり重要性を感じられていない方もおりました。また、医師の方々ご自身で申請して取得するのですが、手続きの面倒さや費用負担などがあることもあり、正直あまり前向きではない方もおりました。しかし当院では電子処方箋を導入するという方針がすでにあることと、幹部や私どもから丁寧に説明を行うことで医師の方々にも納得していただいて進めてまいりました。他の病院ではHPKIカードの申請が、電子処方箋導入のネックになっているということも聞いています。

診察現場では、HPKIカードを取得した医師がカードリーダーを使って情報を読み取る。

─ 電子処方箋の導入後、どのようなメリットや効果を実感しましたか?

 電子処方箋による実績がまだ数件しかないという状況ではありますので、現時点で大きなメリットを感じているわけではない、というのが正直な意見です。今後想定されるメリットとしては、処方箋の情報が一元化され電子処方箋が浸透していく中で、服用薬剤の重複や併用禁忌をチェックする機能は確実に役立つと思っています。

─ 電子処方箋が今年の1月から開始されて半年が経ちましたが、世間にはまだまだ浸透していないという感覚でしょうか?

 発行した電子処方箋を受領して対応できる薬局がまだまだ少ないというのが現状です。電子処方箋は、病院側による発行と薬局による受付の両方が機能しないと運用できませんので、実績を積み重ねるには両者の連携が必要になります。
 また、電子処方箋が逆に患者さんの負担になってもいけませんので、当院ではご協力いただける患者さんに対してのみ電子処方箋を発行しているという状況ですので、まだ浸透していないという感覚です。

─紙の処方箋の運用はしばらく続くとお考えでしょうか?

 紙の処方箋自体はすぐになくならないと思いますが、電子処方箋については当院がやり取りをさせていただいている日本調剤さんを初めとした薬局も徐々に対応し始めておりますし、今後さらに多くの薬局さんが対応を始めたら切り替えが進むのではないかと思っています。また当院の薬剤部長が芦屋市の薬剤師会にPRしており、電子処方箋を運用できる医療機関は確実に増えてくると思います。
 電子処方箋自体は今後も続いていくものだと思いますので、いまの過渡期が過ぎれば一気に普及していくのではないでしょうか。

─ 電子処方箋の導入後、期待していたことと異なるデメリットなどありましたでしょうか?

 これはメリットの話の裏返しではありますが、まだ実績がほとんどありませんので、電子処方箋のメリットを大きく受けられていない部分があります。そのような状況ですので電子処方箋による薬剤情報のチェックもわずかですから、効果を実感できておりません。また導入にあたっては当然コストもかかりましたから、このコストの回収についても診療報酬上の支援等が必要ではないかと思います。さらにはコストの面だけではなく、導入にあたってもかなりの工数、時間がかかり、職員に大きな負担になりましたから、そのあたりも無視できないところです。

─ 患者さんへの電子処方箋の説明はどのようにされていますか?

 電子処方箋を希望される方はまだまだ少ないので、患者さん個別に受付で説明させていただいております。マイナンバーカードの顔認証からすぐに電子処方箋へという流れがしばらくは考えづらいので、患者さんにお声がけさせていただいた上で丁寧に説明してからという運用です。また受付の担当者も全員が完全に電子処方箋について把握しているわけではないので、そういった部分の研修も兼ねて運用しています。

─ マイナンバーカードを保険証として提示した際、「電子処方箋にしますか」といった質問が表示されると思うのですが、その選択肢に「はい」と答えた方に対して個別に説明しているという感じでしょうか。

 その通りです。やはりまだまだ浸透していない部分があるので、明確に意思確認をされた方だけではなく、うっかり電子処方箋を選択してしまった場合もありますので、説明は必須であると考えています。電子処方箋を選択される患者さんには、薬局でのポスターの掲示やパンフレットの配布などで、事前に周知できればと思っています。

─ 医療機関内の業務フローにおいて、患者さんへの事前説明が大切ということですね。それでは他に電子処方箋が組み込まれたことで大きく変わった部分はありますか?

 保険証とオンライン資格確認の情報が一致していないと電子処方箋が発行できないということもあります。例えば、再診の方が受付を通らずにそのまま受診されてしまった場合、保険証の確認フローが発生しません。その状態で「電子処方箋を希望する」となった場合、個人情報の一致確認ができていないので電子処方箋は発行できないという状態になります。このような事態を防ぐためにはどの業務フロー内で一致確認を行うべきなのか、電子処方箋が本格導入されていくことでチェック体制には大きな変更が必要になると考えております。

─ 特に院内処方箋は紙の運用、院外処方箋は電子処方箋の運用はご苦労されているのではないかと思いますが、工夫されている点や、厚生労働省への要望などあれば、教えてください。

 要望となりますが、電子処方箋は院内処方が現在先送り状態になっています。院内・院外の処方箋どちらも一緒に実施していただければ、作業が一本化できるので手間も減ると思います。難しい面もあると思いますが、今後システムを導入する場合は関連するものを一括で導入できるようにしていただければ大変助かります。

─ 電子処方箋には検査データを付加して薬局に送付する機能がありますが、貴院では検査結果などでこの機能の活用を考えておられますか?

 紙の処方箋では備考欄等に検査結果を印字して発行しておりますが、電子処方箋ではそれらの機能が統一規格化されておりませんから、まずはその統一を先にお願いしたいです。これが実装されれば、当院でも積極的に使っていきたいと思っています。

電子処方箋に対応する受付。こちらを通してからでないと電子処方箋は発行されない。

─ 現状、紙の処方箋の運用で、疑義照会はどのぐらいの頻度でありますか?

 当院での外来患者さんが1日だいたい300人程度で、その中で疑義照会が10件から15件ほどです。疑義照会にあたるルールを別途薬局さんと最初に取り決めておりますので、比較的少ない方かと考えています。疑義照会が頻繁に発生すると、病院と薬局双方に負担が大きくなりますので、そのあたりは工夫しています。電子処方箋が導入されれば、過去の調剤情報を照会する際にデータとして保存されているので、疑義照会が発生してもその際の確認作業の負担は軽くなると思います。

─ 厚生労働省の資料では、電子処方箋では疑義照会も電子カルテ上で電子的に行うことができるような仕様になっていますが、活用したいと思いますか? また何か課題は感じられていますか?

 厚労省の資料通りに実施するには逆に負担がかかるのではないかと考えています。電子カルテで疑義照会となると、どのタイミングで医師が見て、どれくらいのスパンで返信できるのか。例えば、患者さんが薬局の待合室で今まさに待っている状態であった場合、リアルタイムでのレスポンスをどのように担保するのか。その部分について課題があると思っています。疑義照会が発生したタイミングで医師が即応できない運用となってしまうと、患者さんにご迷惑をおかけしてしまいます。
 システム構築にあたって現場の実用に応じた運用を検討してもらいたいです。

─ 電子処方箋における重複投薬チェック、併用禁忌チェックは、医療機関側でもやることになっていますが、この点についてどうお考えでしょうか?

 お薬手帳だけではなく、データで過去の処方情報をすべてチェックできるというのは、医師にとっても安心して診療できることにつながるのは間違いないですが、管理するデータの精度が重要になってきます。例えば院内処方は対象外ですので、診察の資料とする上でもその点に注意を払わなければなりません。医療ミスは絶対におこしてはなりませんから、「精度の部分で不安が残るデータ」となると、逆に大きなデメリットでもあります。院内処方と院外処方が一元化されて、かつ信頼できるデータとして診療に利用できれば、電子処方箋のメリットはさらに大きくなるのではと考えております。

─ 貴院の他のシステムとの連携や、連携病院等とのデータの共有について、何か取り組みを行っていますか?

 県が進めている地域医療ネットワークについてのシステムとして「h-Anshin むこねっと」がありますが、そこと連携して画像データ等もやりとりしています。また当院単体で運用している「芦っこメディカルりんく」という地域連携システムを持っておりまして、これは医療圏域を超えた他医療機関とも医療情報を共有できるシステムを稼働しております。

─ 処方箋に関連するセキュリティやプライバシーに対する対策はどのようになっていますか?

 電子処方箋における個人情報の管理については行政のほうで定義していて、それを遵守してセキュリティ対策を行っております。セキュアなネットワーク回線を利用して電子処方箋の管理サービスのデータベースに保存されるような仕組みで運用しております。セキュリティが整っていれば、電子処方箋はプライバシー保護の面でも利点があると思います。

─ 電子処方箋の将来的な展望や改善点について、どのような考えをお持ちですか?

 総括的な意見とはなりますが、一病院の普及活動だけでは限界がありますので、芦屋市でいうと芦屋市薬剤師会、芦屋市医師会、芦屋市歯科医師会、この三師会で連携しながら電子処方箋のメリットを発信していきたいと考えています。各医療機関個々で実施するのではなく、全体的に面の視点で広げていかないと患者さんにも浸透していきませんし、データも蓄積されません。そもそも電子処方箋は多くの医療機関で運用していかないと、情報の共有というメリットを感じづらいシステムだと思います。
 このあたりを理解していただければ、一気に普及していくでしょうし、電子処方箋の最終的な運用目的も達成でき社会的にも大きな発展が見込めると思います。

─ 他の医療機関や薬局、健診センターなど関係機関が電子処方箋を導入する際のアドバイスや留意点はありますか?

 病院のトップが明確に「電子処方箋を実施する」という意思表示をすることが大切だと思います。当院はトップダウンで電子処方箋の導入の方針が示されましたので、大きなトラブルもなく、担当部門から薬剤師さんやベンダーのソフトウェア・サービスさんも一丸となって導入に向けて邁進することができました。

 医師の方々はどうしても日々の業務が忙しいため、HPKIカードの申請といった事務作業など後回しになりがちでした。しかし、「病院の方針である」ということで医師も協力していただけましたので、円滑に取得推進することができました。

 当院に限って言えば、トップがICTの導入に積極的でありましたから、電子処方箋の導入についてもかなり円滑に進んだという経緯があります。まずは病院のトップが電子処方箋について知見を深めていただくことが大事だと思います。理解が深まれば「電子処方箋は便利なので導入しよう」となるのではないでしょうか。

─ それでは、市立芦屋病院のトップである、芦屋市病院事業管理者から最後にひと言お願いいたします。

 今世紀におけるDXの発展は目を見張るものがあります。一方、わが国におけるICTの活用は決して他国に誇れるものではなく、公衆衛生や医療分野におけるDX化、ICT導入の遅れは今回のCOVID-19パンデミックで明らかになったところです。

 市立芦屋病院は小規模自治体病院ではありますが、それだけに小回りが効く利点があります。医療ICT化に関しても、阪神地域連携ネットワークシステム加入や当院独自の連携システム構築により医療情報の共有に努めてきました。国が推進するマイナンバーカードによるオンライン資格認定システムもいち早く取り入れております。電子処方箋についても、患者・医療者双方に有益な制度と考え、病院をあげて推進に取り組むこととしました。医師にはHPKIカードの取得を指示し、医事部門、薬剤部門には電子処方箋導入の課題解決を依頼しました。今後はセキュリティに最新の注意を払いながら、電子処方箋の普及に努めてまいります。

芦屋市病院事業管理者
佐治 文隆氏
取材対応いただいた市立芦屋病院 医事課長 細山 正之氏(左)と
医事課電子処方箋担当の加藤 創佑氏(右)
インタビューを終えて

 市立芦屋病院は、芦屋市内唯一の公的医療機関として、日頃より、医師会、薬剤師会、行政、他の医療機関と協力しながら地域医療連携の中核を担い、芦屋市民の皆さまが安心して利用できる医療体制の構築、維持にご尽力されています。また、医療分野の情報通信技術(ICT)活用や医療DXの分野において、全国の医療機関に先んじた取り組みをされており、今回、そうした様々な取り組みを伺う貴重な機会となりました。

 インタビューでは、電子処方箋に関して同院の率直なご意見、ご回答をいただくことができ、医療機関での電子処方箋の普及にあたっての課題、抑えるべきポイントが明確になったと思います。同院は、全国でオンライン資格確認の運用が開始された頃から電子処方箋発行の準備を進められてきました。世間的にはこれから電子処方箋導入の検討を始める医療機関も少なくない中、そういった点も他の模範となる医療機関といえるのではないでしょうか。

 電子処方箋の運用は、今まで紙でやり取りしていた処方情報を電子的にやり取りすることで、事務コストの低下、業務負担の軽減という表面的な効果が見込めることにとどまらず、医療費・社会保険負担額の高騰といった問題の解決策の一つとしても今後の普及が期待されています。

 処方箋を発行する医療機関側での理解促進、普及に合わせて、応需する薬局側においても同時に理解促進、体制整備を進めていかなければなりません。そういう意味では、医療機関側のICT活用のみならず、薬局側におけるDX、ICT活用推進も非常に重要であることが今回改めて認識されたと
思っています。ベンダーとの協力、行政の支援、市民の皆さまの理解のもとに電子処方箋発行を進めていこうとされる同院の姿勢は見習うべき点が多く、大変学びの多い時間となりました。医療市場委員会全体としても、ガイドラインのさらなるブラッシュアップ、より精度の高い政策提言に向けた、いい意見交換ができたのではないかと思います。

 最後に、多大なご協力をいただきました、市立芦屋病院医事課の細山様、加藤様に感謝申し上げます。

機関誌IM2023年9・10月号再掲

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