はじめに

平成10年に制定された「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法の特例に関する法律(電帳法)」の制定により、これまでは紙に出力して保存しなければならなかったコンピュータ作成の帳簿書類について、一定の要件の下に電子データのままで保存することができるようになり、さらに平成17年の改正で、紙の書類をスキャニングして電子データとして保存する(スキャナ保存)ことが認められるようになりました。

しかし、スキャナ保存については、電子署名が求められていたり、契約書・領収書については、その金額が3万円以下に制限されるなどの要件が厳しかったことなどため、実際にはスキャナ保存制度はほとんど利用されていなかったのが実態で、平成27年の改正により、ようやくこの制限が撤廃されるなど規制緩和が進みました。

このスキャナ保存制度に対して、電帳法が要求している要件には分かりにくいものもあり、市販されているソフトウェアの中には、電帳法が要求している要件から外れているものもあり、運用を開始した後、国税当局の税務調査が入った際に不備を指摘されるリスクが顕在化しています。

電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度とは、スキャナ保存を行う市販ソフトウェアが電子帳簿保存法の要件を満たしているかをチェックし、法的要件を満足していると判断したものを認証するものです。

目的

電帳法による国税関係書類のスキャナ保存対応ソフトウェアの機能仕様をチェックし、当協会が法的要件を満足していると判断したものを認証します。これにより、そのソフトウェアを導入する企業は、電帳法が要求している要件を個々にチェックする必要がなく、安心して導入することができます。

認証制度について

ソフトウェアの認証に当たっては、そのソフトウェアのマニュアル、取扱説明書などで公開されている機能をベースに、公正な第三者機関でチェックし、必要な機能を全て備えていることを確認したうえで認証審査委員会で審議し、認証を行います。また、認証した製品の一覧は、JIIMAのホームページで公表するとともに、国税庁に対して認証製品リストを提出します。

認証制度について

電帳法スキャナ保存ソフトウエアの法的要件を満足しているとして認証した製品には、次のようなロゴ(例)の表示を認めています。

令和元年改正法令基準まで

電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証

令和3年改正法令基準以降 タイプA

令和3年改正法令基準以降 タイプB

本認証制度は、あくまで認証基準に基づき、スキャナ保存製品が電子帳簿保存法および電子帳簿保存法関連の施行規則、通達等に定められる機能を有することを製品のマニュアルのみで評価し認証するものであり、それ以外の事項を保証するものではありません。