安全・安心で生産性の高いデジタル情報社会の実現に向けて

 公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)は、1958年に日本マイクロ写真協会として設立されて以来、情報の保存、電子化、利活用のための調査・開発、人材育成及び普及啓発に取り組んでまいりました。これまで文書情報マネジメントは、コンプライアンスと説明責任を主な目的として行われていました。DXが叫ばれてからも変革の対象が文書情報マネジメントにまで及ぶことはありませんでした。

 そこに生成AIが出現し2023年頃からその利活用が始まり2025年に一気に実用化が進みました。生成AIの普及につれてデータマネジメントの必要性を訴える声が高まりましたが、数値データだけではなく文書情報も生成AIの学習に使われますので、コンプライアンスのためだけに文書情報を保存しておくことには疑問が生じます。人件費をかけIT投資をして保存している文書情報を、もっと事業に活かすべきではないでしょうか。

 ところが、コンプライアンス目的で保存していた情報をそのまま生成AIの学習に使うと個人情報の漏洩、機密情報の漏洩、バイアスのかかった情報を提供してしまう、またはメタデータがないために本文だけでは正確さに欠ける情報を提供してしまうなど不都合なことが起きる場合があります。文書情報を生成AIで利活用する際には、漏洩してはいけない情報、使用してはいけない情報などが組織として管理されていないと生産性が上がらず、リスクも増大します。正しいだけではなく使える情報であること、具体的には、出所が説明でき、更新履歴が追え、バイアスが組織的に管理され、必要なメタデータが付与されていることです。情報は資産にも負債にもなります。資産にするためには、説明責任、管理責任、結果責任を負わなければなりません。その最終責任は経営者にあります。

 JIIMAは生成AIやAIエージェントの利活用が当たり前になった時代に、文書情報マネジメントの目的をコンプライアンスや説明責任に留めず、情報の利活用により事業価値を創造することにまで広げるべく、活動の幅を広げていきます。調査・研究、ISO/JISの標準化、人材育成、製品認証、ガイドライン等を通して、既に到来した生成AI時代に有効な文書情報マネジメントの提案及びその普及啓発に取り組んでまいりますので、従来にも増して皆様方のご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

公益社団法人 日本文書情報マネジメント協会
理事長  勝丸 泰志