標準化戦略委員会
担当理事 廣瀬 陽一 (ひろせ よういち) 委員長 伊藤 泰樹 (いとう やすき) 副委員長 名護屋 豊(なごや ゆたか) 人数 13名
活動内容
信頼できるデジタル文書情報流通の実現を目指し、以下の活動を行っています。 ・ 文書情報マネジメントに関する規格化方針を策定・関連規格(ISO、JIS)の提案、開発、維持及びガイダンスの作成
第64期活動報告
① 経済産業省 受託事業 「文書及びデータの信頼性を維持した相互運用性に関する国際標準化」
5月のISO/TC171総会で、ISOの予備業務項目(PWI) 22049として規格化作業を進めることが決まった。11月に新業務項目(NP)提案を行い、投票の結果、3月に承認された。11月には海外の実情把握を目的として、英国、仏国及び独国にて、ヒアリング調査を実施した。
ISO/TC171総会2024は5月に、日本がホスト国として開催した(16か国約60名が参加)。
② 規格開発事業
〇ISO規格開発および維持作業
TC171/SC1 文書情報マネジメント関連
・ISO 22049(複数の当事者による一貫性のある情報ガバナンスと管理)は、12月よりNP投票が行われ、承認された。
・ISO 4669-2(文書の機密性分類とその運用を適用したシステムの要件)は、最終国際規格案(FDIS)投票で、3月に承認された。発行段階へ進む。
・ISO 技術仕様書(TS) 24574(文書の保存と交換におけるデータインタフェース)は、最終技術仕様書案(FDTS)として、3月より、2回目のFDTS投票が開始された。
TC171/SC2 文書情報マネジメントシステムおよび流通可能なコンテンツ
・PDFデータ形式の最新化に向けて、PDF本体の強化を目的とした、次の内容を取り入れる方向の検討作業を実施した。
-HDR:画像情報の高精細化
-JPEGXL:画像フォーマットの追加(高精細、ロスレス圧縮など)
-C2PA:デジタルコンテンツの生成元や変更履歴を証明できるメタデータを付与することで、ディープフェイクや偽情報の拡散を防ぐ技術の規格
・長期保存可能なテキスト形式は、韓国からのISO 20271-1のNP提案について、規格の目的が明確示されていないため、その整理が必要である。
〇JIS規格の開発、維持作業
JIS原案作成委員会として常設の委員会を設置し、日本規格協会のJIS原案作成公募制度を利用し、10月よりZ 6021(ISO 4669-1のJIS化)及びZ 6016:2015改正の原案作成を進めている。成果物の納品は、2025年5月の予定。
〇標準化の普及
JIIMAホームページの「文書情報マネジメント標準化ポータル」への掲載を目的として、「PDFガイダンス」の原案を作成した。2025年度の掲載予定。
第65期活動計画
(1) 経済産業省 受託事業 「文書及びデータの信頼性を維持した相互運用性に関する国際標準化」
①ISO 22049の規格開発:年度末までのNP登録目標
NP投票結果を踏まえて、5月のTC171総会の対応を行い、その議論を踏まえて、関係国と連携しつつ規格化を進める
(2)規格開発事業
1)ISO規格開発および維持作業
①TC171/SC1 文書情報マネジメント関連
・NP 22049(複数の当事者による一貫性のある情報ガバナンスと管理):NP登録(20.00)の段階に進める
・DIS 15801(電子的に保存された情報-信頼性の要件):ISの発行
・FDIS 4669-2(文書の分類(機密性分類)とその運用を適用したシステムの要件):ISの発行
・DTS 24574(文書の保存と交換におけるデータインタフェース):TSの発行
・ISO 19475(文書管理-文書保存のための要求事項):SRの対応準備
② TC171/SC2 文書情報マネジメントシステムおよび流通
可能なコンテンツ
・PDFデータ形式の最新化:PDF本体の強化を目的とした検討作業を継続
- HDR:画像情報の高精細化
- JPEGXL:画像フォーマットの追加(高精細、ロスレス圧縮など)
- C2PA:デジタルコンテンツの生成元や変更履歴を証明できるメタデータを付与することで、ディープフェイクや偽情報の拡散を防ぐ技術の規格化
- 多言語文字列における言語識別をサポートする拡張機能
2)JIS規格の開発、維持作業
①JIS Z 6016改正及びJIS Z 6021制定
・JSAへのJIS原案等成果物の提出及び公示までの対応
②ISO 4669-2のJIS化準備
③JIS Z 6020の解説作成
3)規格の普及活動
① JIIMA HPを活用した規格概要および規格開発状況の掲示及び更新:標準化ポータルへの掲示
・PDFガイダンス
・マイクロフィルム関連規格
※参考:用語の説明
略語
フルネーム
和訳
規格開発プロセスにおける段階
ISO
International Organization for Standardization
国際標準化機構
―
TC
Technical Committees
専門委員会
―
SC
Subcommittee
分科委員会
―
WG
Working Group
作業グループ
―
PWI
Preliminary Work Item
予備業務項目
00 予備段階
NP
New work item Proposal
新業務項目提案
10 提案段階
WD
Working Draft
作業原案
20 作成段階
CD
Committee Draft
委員会原案
30 委員会段階
DIS
Draft International Standard
国際規格案
40 照会段階
FDIS
Final Draft International Standard
最終国際規格案
50 承認段階
IS
International Standard
国際規格
60 発行段階
SR
Systematic Review
定期見直し
―
TS:Technical Specification(技術仕様書) TR:Technical Report(技術報告書)
法務委員会
担当理事 武居 大基(たけい だいき) 委員長 中田 秀明 (なかだ ひであき) 副委員長 猪俣 智子 (いのまた ともこ) 人数 20名
活動内容
電子帳簿保存法の課題把握・改善提案 利用状況の把握と改善点の検討・担当官庁等への提案
電子帳簿保存法の普及/啓発活動
書籍(e-文書法電子化早わかり)の発行/改訂
ガイドライン(電子取引・電子化スタートブック)の発行/改訂
セミナーによる分かり易い発信・普及
JIIMA認証制度(電子帳簿保存法関連)機能チェックリストの作成/改訂 法務委員会内のワーキング活動で実施
法務委員会では「電子化文書・電子文書における法的証拠能力をより確実なものにすること」に長年取り組んできました。 昨今では、電子帳簿保存法を中心として、加速している電子化について、運用の観点も含めた改善点の検討や、民間での利用拡大に向けた普及活動に力を入れています。 また、当委員会配下でJIIMA認証制度の機能リスト改訂を実施しています。
第64期活動報告
① 国税庁との協力および提言
・課題と改善要望を基に国税庁との情報交換し、実際の業務やシステム運用に合致する方向で提言を実施 ⇒ 国税庁6月公開済「電子帳簿保存法一問一答」に反映
・通達及びQ&A の見直しに伴う認証チェックリストの改訂 ⇒ 2024年12月公開済
・国税庁が進める「税務行政のDX化」への協力検討と、さらなる規制緩和に向けた検討 ⇒ 優良電子帳簿の普及に向けて、国税庁と協議を実施。電子帳簿の認証範囲拡大について、法務委員会でのWG発足に向け対応案を作成。来期も活動を継続予定。
② 普及活動、情報発信(移行認定申請事業との関連)
・優良電子帳簿普及に向けたアンケートの収集 ⇒ デジタルドキュメント2024にて発信、収集済
③ 委員会とのコラボレーション企画
・①の改訂業務および②優良電子帳簿普及に関する活動に注力のため第64期では未実施
④ 第63期積み残し
・令和5年度改正対応 電子取引ガイドライン改訂 ⇒ 2024年7月公開済
第65期活動計画
(1)生産性向上(業務DX化)に向けた国税庁との協力および提言活動
① 優良電子帳簿の普及に向けたJIIMA個別認証制度の検討(~3月)
これまでのソフトウェア製品を対象としたJIIMA認証に加え、個別企業の業務・会計システムについて、個々のシステムが優良電子帳簿の法令要件を満たしていることを認証する制度導入の方向性(必要性、審査体制等)を検討します。(認証統括委員会への報告は5月、8月を予定)
② 電子帳簿保存法の利用状況の把握および国税庁への改善提言(6月、11月)
国税庁の一問一答や税制大綱の公表を見据えて、実際の業務やシステム運用に合致する方向で国税庁への提言を行います。
(2)令和7年度税制改正への対応(~11月)
① 既存認証区分の見直し
スキャナ保存、電子取引、電子帳簿、電子書類について、通達およびQ&Aの見直しに伴うJIIMA認証チェックリストの改訂を実施します。
② 新規認証区分への対応
新規認証区分(電子取引と優良電子帳簿を連携する電子計算機処理システム)について、方向性(既存認証区分への追加または区分の新設)の検討を行い、JIIMA認証チェックリストを作成します。
(方向性について、認証統括委員会への報告は8月を予定)
③ JIIMA HP FAQの見直し
(3)情報発信
各種ガイドラインや書籍の改訂を実施するとともに、ウェビナーを通じてデジタルデータ活用事例や電子帳簿保存法の活用事例を発信します。
・e-文書法早わかり 情報追加・改訂(3月)
・電子取引ガイドライン 情報追加・改訂(11月)
・データポータビリティガイドライン 情報追加・改訂(9月)
・JIIMAウェビナー(6月)
・デジタルドキュメント(11月)
建築市場委員会
担当理事 園部 昌也 (そのべ まさや) 委員長 橋本 貴史 (はしもと たかし) 副委員長 川谷 聡 (かわたに さとし) 人数 7名
活動内容
建築設計図書への押印廃止に伴うJIIMAガイドラインの改訂発行
・ 2017年12月8日にVer.1.0(初版)を発行し、2018年(Ver.1.1)、2019年(Ver.1.2)とマイナー改訂を実施してきたJIIMAガイドラインを、2021年9月1日の建築士法改正(押印不要)により大幅な改訂を行いました。 ・ 全国の建築士事務所を統括する一般社団法人日本建築士事務所協会連合会(日事連)と共同で開催してきたガイドライン普及のための動画説明会を通して上がってきた現場事務所における要望や意見を取り入れることで、より分かり易い現場寄りのガイドラインとして改訂発行します。 ・ 日事連の会員企業へのアンケートで、法改正(押印不要)による建築士事務所の図書管理への影響を広く収集し、事務所における電磁的記録管理の適正管理を浸透させます。 ・国土交通省建築指導課との連携により設計図書の電磁的記録の真正性、完全性の確保に関する共通認識を形成します。 ・ 設計図書作成ツールとしてCADからBIMへの移行トレンドに対して、情報収集と次世代の設計図書管理に関する研究を行います。
設計図書への押印不要は建築士事務所、特に設計図書を作成、管理する部門においてはインパクトのある法改正となりました。 業務処理上は処理プロセスの簡素化が図れる一方、図書の法定保存義務に対して、その原本の特定や保存期間内における改ざん防止策の措置等、事務所開設者には法令遵守と訴訟対応としての自己防衛対策を厳格に講じる必要性が出てきました。建築市場委員会ではそのような現場の課題を解決し、かつ電子化を推し進める方向性を強く打ち出していくことが求められていると考えています。
第64期活動報告
1.「建築設計業務における設計図書の電磁的記録による作成と保存のガイドラインVer.2.0」の普及浸透活動
●JIIMAセミナー(ウェビナー)での情報発信
・6月開催のJIIMAウェビナー2024に参加
・132件の聴講実績
・119件の資料ダウンロード実績
・20件の改訂ガイドラインのダウンロード実績
●アンケート等による評価、調査
・ウェビナーにおける個別アンケート実績は慣例により未実施
・ウェビナー用に準備したアンケート個別業界団体向けに別途活用することとした
●関連団体との関係強化に向けた活動
・ウェビナー勧誘時に建築関連団体(3団体)の事務局との関係構築
・特に住団連とは意見交換も含めて良好な関係を構築することでJIIMAの認知度向上に寄与した。
① 一般社団法人日本建築士事務所協会連合会(日事連)
② 一般社団法人住宅生産団体連合会(住団連)
③ 一般社団法人日本建設業連合会
・個別団体との共同研究会の立ち上げ企画は未実施
・その他実績として、日事連に対して、設計図書の真実性確保並び保管に向けた設計図書デジタル保管サービスの企画提案を実施し、今後の共同歩調に向けた足がかりをつけた。これは第65期の活動計画として継続することとなる。
2.国土交通省との関係強化
進捗無し
3.BIM関連の情報収集
進捗無し
第65期活動計画
設計図書のデジタル化やクラウド保存による保管場所削減、業務負荷軽減による生産性向上を図ると共に、適法な保存を促すことで、安心・安全を伴う設計業務を目指します。
(1)設計図書デジタル保管サービス 継続して日事連との協議を重ね建築事務所に対する標準サービスとしての採用に向けた交渉に取り組みます。(以下は期待効果)
・ 建築士の本来業務への傾注を促す(設計業務の生産性向上)
・ 法定図書保存への懸念や不安を解消する(安心、安全な環境を構築する)
(2)国土交通省との関係強化
日事連との活動状況を定期的に報告、共有することで同省との関係強化を図るとともに、公益性を持った仕組みづくりに対する理解を深め、サービスの実現性を高めます。(以下は期待効果)
・ 国交省の理解を得ることで双方の利益を一致させる(公益性の実現)
・ 国交省の理解を得ることで日事連への影響力を高め、仕組み運営の主管として積極的に動いてもらう環境を作る(安心・安全な環境作り)
(3)日建連ガイドラインの再編
建設業法を根拠法とする日建連ガイドラインを現代版として再編します。
情報の流動性を考慮し、設計(JIIMAガイドライン)から範囲を拡張し、施工(日建連ガイドライン※)分野への連携を意識したガイドラインとして、建築三法すべてを根拠法とするガイドラインとしてラインアップさせます。
・建築基準法(建築行政会議ガイドライン)
・建築士法(JIIMAガイドライン)
・建設業法(日建連ガイドライン)
※日建連ガイドライン(建築工事における書類・図面の電子化/保存ガイドライン)は、(社団法人)建築業協会(現在は、一般社団法人日本建設業協会)のIT推進部会 工事情報活用専門部会から平成22年3月に初版が発行され、当時JIIMA新市場開拓委員会建築WGも編集に協力した経緯があるガイドライン。その後平成24年3月に第2版が発行され、改訂が行われないまま現在は公開終了となっている。
医療市場委員会
担当理事 小野原 義浩 (おのはら よしひろ) 委員長 渡邊 克也 (わたなべ かつや) 副委員長 瓜田 耕一(うりた こういち) 人数 15名
活動内容
・ 医療情報電子化運用促進 ・医療情報の電子化を促進する運用規程書(解説書)の作成 ・医療情報電子化の取組み事例の収集と公開 ・医療分野におけるECMニーズの把握と検討
医療情報の電子化を促進するガイドラインを作成し、JIIMAのホームページで公開していくことで、JIIMA会員をはじめ医療機関関係者やメーカー・業者等の方々に活用いただくよう活動しています。
第64期活動報告
1.「診療録等を電子化し保存する場合のセキュリティガイダンス Ver.1.0(2021年3月)」の改定
①進め方、スケジュール、担当などの詳細計画を策定、また計画時の特記事項を考慮の上、スケジュール通り改定作業推進
②ドラフト版に対する薬局等関連機関への意見収集(WEB、訪問ヒヤリング)継続実施
・2025/1/9 現在改定中の資料を抜粋し、厚生労働省殿との意見交換打合せ実施
③厚生労働省への球出し実施(意見具申、パブコメ投稿) ⇒ ドラフト版完成(2025年7月予定)後、実施予定
④完成後、ガイドラインの周知、広報活動(JIIMAセミナー、外部講演等) ⇒ 現在改定途中ではあるが、デジタルドキュメント2024(2024/11/13-27)において委員会講演実施。講演内容は現在活動中のガイダンス改定作業の中間報告。
2.その他
・[情報共有] 医療情報学会春季学術大会 6/13-15 木更津で開催。瓜田副委員長講演有
・[情報共有] 電子処方箋保存・管理サービス概要
厚生労働省医薬局より令和6年1月に発行された「電子処方箋管理サービスの導入に関するシステムベンダ向け技術解説書」及び令和6年1月に発行された「電子処方箋保存サービスの利用について」の内容について委員長、委員より概要を委員会内に展開
・新規メンバーの勧誘・増員(Neox株式会社)
第65期活動計画
(1)テーマ
「処方箋の電子原本管理に関する規制緩和(明確化)検討」
(継続)
(2)計画
① 「診療録等を電子化し保存する場合のセキュリティガイダンス Ver.1.0(2021年3月)」の改訂
厚生労働省の安全管理ガイドライン、並びに総務省・経済産業省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」(令和5年7月7日改定、以下事業者向けガイドライン)の改定によってサイバーセキュリティ対する要件が強化されたことを受け、以前医療市場委員会で発行した「診療録等を電子化し保存する場合のセキュリティガイダンス Ver.1.0(2021年3月)」を改定します。まずは、先期にリリースした調剤済み紙処方箋の薬局の情報流にフォーカスし、その安全管理に資する要求事項を整理します。
これによって電子化原本の安全管理に対する事業者並びに薬局(医療機関)への注意喚起、啓発を図ります。さらに本実績をもって、電子処方箋の普及に寄与するための規制緩和に向けた政策提言に繋げます。
・ガイドラインの改訂作業(継続)
ドラフト版完成:2025年7月予定、最終版リリース:2025年10月予定)という計画で進める。
ドラフト版完成後は以下活動を並行して行います。
・ ドラフト版に対する薬局等関連機関への意見収集(WEB、訪問ヒヤリング)継続実施
・ ガイドラインの周知、広報活動(JIIMAセミナー、外部講演等)
・ 厚生労働省との意見交換によるガイドラインブラッシュアップ
② 処方箋電子化サービス※におけるJIIMA版SLA(サービスレベル同意書)またはセキュリティ開示書(例)の作成
先に作成した紙の調剤済処方箋を電子化し保存する場合のセキュリティガイダンスに基づくSLA、またはセキュリティ開示書(例)の作成、リリース(2026年3月)を行います。
これまでは、厚労省ガイドラインをサポートしていましたが、今回は、ベンダー側をサポートするドキュメントを提供します。
※:紙の診療録等、紙⇒電子化のサービス提供事業者
③ 紙の処方箋を紙の診療録等に拡張したセキュリティガイダンス、及び発行済みJIIMAガイドラインの見直し・改訂(2026年3月)
発行済みガイドラインへの問合せ、また総務省、経産省のガイドラインに対するパブコメが昨年あり、改定が見込まれるため、見直しを行い、必要に応じて改訂を行います。
電子取引委員会
担当理事 十川 孝志 (そがわ たかし) 委員長 西山 晃 (にしやま あきら) 副委員長 岡本 敦(おかもと あつし) 人数 14名
活動内容
電子取引の適切な利用に対するガイド、政策提言の検討
・ユーザー向けの普及啓発ツールである「電子契約活用ガイド(電子契約のススメ)」への実践事例拡充と更新 ・電子契約に関する技術や法律について、より専門的な情報を取りまとめた「電子契約ガイドライン」の作成に向けた草案の取り纏め
電子契約が業務の効率化やコスト削減に寄与する仕組みであるということは、多くの企業で認知されつつある実感はありますが、一方で電子化を進める場合、最終的に何に注意すればよいのか、本当に大丈夫かといった判然としない不安感が払拭できていない印象もあります。そんな中でも実際に実践している業界や企業の多くの事例を収集・発信し、安心や信頼を支える根拠を示しながら電子化の普及促進へつながるよう活動を進めて参ります。
第64期活動報告
(1)電子取引に関するユーザー企業向け解説書の発行
・「安全な電子取引のための解説 ―課題整理とチェックポイント― Ver.1.0」を作成し、日本文書情報マネジメント協会ホームページに2025年3月公開した。
(2)情報発信
・機関誌IM2024年9・10 号にて委員会活動報告「Society5.0 を加速する DFFT と電子取引の在り方」を寄稿した。
・(1)の解説書の普及啓発は完了が期末となったため、その普及啓発(セミナー、動画配信)活動は来期に繰り越す予定。
・他の団体との意見交換、交流(電子取引解説書をふまえ)
デジタル庁の「電子委任状法施行状況検討会」にて電子契約の普及と信頼性向上を目指したガイドラインの策定を行う方針が示されたが、同検討会に参加していた宮内弁護士と意見交換を2月に実施し、代理署名と署名代行の法的解釈の違い、企業内規定と電子署名の適用範囲の必要について解説・情報共有を行った。
3)その他
「電子契約活用ガイドライン Ver.2.0」のアップデートに着手し作業中。発行から 3 年が経過することから、項目ごとに見直しが必要か内容の確認を実施中。
第65期活動計画
本委員会では電子契約、電子取引のガイドラインを示すことにより
① 文書のデジタル化と保存
② セキュリティとアクセス管理
③ 法的効力とコンプライアンス
④ 文書のライフサイクル管理
⑤ 業務効率化とデジタル化の推進
これらの促進に寄与することを目的とします。
電子契約、電子取引は文書情報マネジメントの枠組みにおける重要な要素であり、企業においてそれらを適切に管理、運用することで法的効力を確保し、業務の効率化を図ることができJIIMAビジョン「文書情報マネジメントの実践を通じてDXの加速をリードする」ことができると考えます。
今期は、以下の2項目を実施します。
(1)「電子契約活用ガイドライン2.0」のバージョンアップ
デジタル庁の電子契約ガイドライン策定の動きも踏まえ、最近の技術、政策動向を反映した電子契約活用ガイドラインのバージョンアップを完了する予定です。
(2)情報発信
「安全な電子取引のための解説-課題整理とチェックポイン
ト-」、および「電子契約活用ガイドライン3.0」の普及啓発(セミナー、動画配信)を実施する予定です。
文書情報の『活用』に関する研究会
(※61期まで「DXコンセプト立案委員会」として活動)
担当理事 久田 雅人 (ひさだ まさと) 委員長 石井 昭紀 (いしい あきのり) 人数 6名
活動内容
デジタルデータの利活用については、データの蓄積・ツールの改善に加えて社会全体のデジタルトランスフォーメーションの機運がありその期待は日々高まっています。また文書情報にはその他のデータ一般とは異なる性質や、独自の管理手法の文脈があります。文書情報ならではの「活用」の取り組み方について検討を進めていきます。 「デジタル時代の文書情報管理業務に関する提言」につきましては、以下のpdfからご確認ください。
第64期活動報告
AIIM Conference 2024に参加者を派遣し、調査レポートを機関誌IMに寄稿しました。
「文書情報の活用に関する成熟度モデル」をベースに簡易的診断表を作成、それを用いて調査会社に本調査を行ってもらいました。
調査会社のレポートの評価、提供された元データを使った独自分析を経て、研究会としての調査結果レポートを作成しました。
(最後の調査結果レポートはまだドラフト段階であり、期をまたいでレビューを実施後事務局に提出の予定です)
第65期活動計画
当研究会が作成した成熟度モデルの設計や調査手法に対する反省点はあるものの、文書情報の活用に関するアンケートにおいて、文書情報の「活用」に対する国内企業の成熟度および関心の低さは予想を超えた水準にありました。
文書情報を活用することによるビジネス機会の拡大に対する期待も予想以上に低かったのですが、組織レベル(トップダウン)および業務レベル(ボトムアップ)の動機づけの成熟度が高い組織ほど大きな期待を持つことができているという傾向が確認されました。一方で生成AIへの取り組みについては、組織レベル(トップダウン)の成熟度ほど業務レベル(ボトムアップ)の成熟度は強い相関を示しておりませんでした。
以上を踏まえ、「文書情報マネジメントの実践を通じてDXの加速をリードする」を目標に、現在トップダウン的な期待が先行してしまっている生成AIなどの技術先行のアプローチを補完することで、【活用】の総量を最大化する文書情報マネジメントの在り方を追求したいと考えます。
具体的には、成熟度モデルをベースに成熟度向上の個別のケースが、新たなビジネスチャンスを創出する姿を収集し、モデルとして活用できる利用例の作成などを行うことなどを検討しています。
文書情報管理委員会
担当理事 太田 雅之 (おおた まさゆき) 委員長 馬場 貴志 (ばば たかし) 副委員長 岡田 英一 (おかだ えいいち) 人数 10名
活動内容
・文書情報管理の重要性を訴求する普及啓発 ・「 文書管理達成度評価チェックリスト」による文書管理実施状況の実態調査 ・ 文書情報に関する各種調査ガイドラインの策定、公開
企業の文書管理水準の向上のため、「文書管理達成度評価チェックリスト」を作成しました。現在、企業サンプル調査を実施しており、達成度評価をフィードバックしています。2024年度はアンケート調査を実施して「文書管理達成度評価 2024年度調査結果報告書」として公表させて頂きました。自社の文書管理達成度を評価されたい、または関心がある企業は調査のご協力をお願いいたします。
第64期活動報告
(1)文書管理達成度評価
① 簡易版文書管理達成度アンケートWeb版の回答結果のまとめ、分析
・現在54件の回答を得ており、100件収集した段階で分析し報告する予定です。
② 文書管理達成度評価を促進するため解説書作成
・2024年7月完成。
③ 文書管理達成度評価データの収集
・100社からの回答を得て集計、文書情報管理達成度の傾向を分析し、
「文書管理達成度評価 2024年度 調査結果報告書」を2025年3月27日に
Webサイトにて公開しました。
(2)文書情報流通基盤
① 「文書情報流通基盤基本要素定義ガイドライン」の解説を、JIIMAセミナーと文書情報マネージャー勉強会で説明し、利用者から意見収集を行ったが、特に質問意見が無いため64期で一旦活動保留とします。
第65期活動計画
(1)文書管理達成度評価
① 文書管理運用状況のヒアリング
2024年調査で評価点が高かった企業を訪問、文書管理の取り組み、運用状況をヒアリングしてレポートし、他企業の参考となるようにします。
② 簡易版文書管理達成度アンケートWeb版の回答結果のまとめ、分析
100社からの回答を得て集計、文書情報管理達成度の傾向を分析し報告書を作成します。
(2)地方自治体向け行政文書関連文書管理システム機能 ガイドライン策定
行政文書の管理に関するガイドライン(令和6年2月9日内閣総理大臣決定)に準拠した、地方自治体向け行政文書関連文書管理システムの標準機能仕様を検討しガイドラインを策定します。
R&Dデータ保存委員会
担当理事 岡田 泰(おかだ やすし) 委員長 上原 小百合 (うえはら さゆり) 副委員長 山崎 晃(やまざき あきら) 人数 14名
活動内容
当委員会は、測定機器データの再解析を目的とした長期保存に取り組んでいます。測定機器の長期保存ガイドライン、技術ガイドブック、及びパッケージ化ツールを提供しています。 これらの普及に向けて、
(1)長期保存パッケージ適用時の運用手引きを充させると共に、 (2)長期保存パッケージの適用対象機器の拡大に取組み、 (3)また、活動の幅を広げるべく機器メーカー・関連団体との連携強化を図ります。
第64期活動報告
(1)測定機器データの長期保存ガイダンスの改訂
長期保存ガイダンスの第3.0版を2025年3月末に発行した。
(2) 測定機器データの長期保存ガイダンス、技術ガイドブック、運用ガイドブックの広報活動
11月のデジタルドキュメントの委員会講演で、運用ガイドブックを中心に当委員会の活動を紹介した
(3) 測定機器データの長期保存運用ガイドブックの英語版発行
7月に長期保存運用ガイドブック第1.0版の英語版を発行した
(4) JSQA L3 とのリエゾンの継続
7月にJSQAとの産学リエゾンの更新を行った(2026年3月31日まで)
第65期活動計画
(1)測定機器データの長期保存のためのデータマネジメントガイドの策定
DXの加速に電子データの長期保存問題の解決は欠かせません。本委員会は、これまで測定機器データの長期保存に取り組んできました。長期に亙ってデータインテグリティを確保するには、対象になるデータだけでなくそのメタデータも一緒にパッケージ化して保存する必要があり、これは、文書情報についても当てはまります。
今期は、様々な測定機器データを例に、保存すべきメタデータについて検討を行い、成果をデータマネジメントガイドとして発行します。
※注記 データインテグリティ:真正性、信頼性、完全性、可読性などを包含した概念
(2)改定版長期保存ガイダンスの広報活動
11月のデジタルドキュメントにおいて、改訂版長期保存ガイダンスの紹介を行うと共に、ガイダンスに示す方式が、業務で用いる文書やデータの信頼性を保った移行や長期保存にも有効であることを紹介します。
(3)測定機器データの長期保存ガイダンス英語版の改訂
長期保存ガイダンスの改訂に伴い、年度内に英語版の改訂を行います。
(4)日本QA研究会(JSQA) L3 とのリエゾンの継続
リエゾン活動を通じて当局の意向に関する情報収集を行います。