爆発的に発生する大量の情報は、紙、マイクロフィルム、デジタルであれ媒体を問わずに、作成・取得、配布と活用、保存・処分(廃棄または永久保存)、に至るプロセスにかかわっています。文書情報(コンテンツ)のライフサイクル管理の重要さが企業や官公庁において認識されています。なぜ今、文書のライフサイクル管理に注意を払わなければならないのでしょうか? 記録された情報は、組織にとっても個人にとっても活動の記憶(メモリー)であり、証拠でもあり、活動の説明責任と透明性を示す基本です。活動の規制は緩和されてもルールの遵守、つまりコンプライアンス経営がキーワードになります。記録された情報の管理には、法的な許容性が確立・実証されているマイクロフィルムは別にして、デジタルの場合、便利で使いやすさといった光の部分に関心が払われますが、長期的な活用・保存という問題に直面するとデジタルが持つ脆弱性(媒体の安定、ハード・ソフトの陳腐化、改ざん・変更、互換性、法的整備の遅れなど)が浮上してきます。完全性、機密性、見読性が保証されることが良い文書・記録管理システムに求められます。それぞれの特性が単に技術によって支援されるだけでなく、組織としての対応が求められます。
○組織活動の透明性と説明責任 ○大量に発生する情報量の抑制とコスト削減 ○効率と生産性の改善 ○最新の文書管理技術の採用 ○法・規制の遵守(コンプライアンス経営) ○法的リスクを軽減する支援 ○不測の事態に対応したリスク管理 ○意志決定の支援・情報の共有 ○企業活動の記憶の永久保存(アーカイブ)
文書情報のライフサイクルの中で、先に述べたような課題に対し、文書情報の活用と保存という観点から対応するために専門的な知識と実務経験が求められます。
1. 利用頻度が高く、かつ利用期間が長期間の場合: 文書の電子化と、そして標準化とオープンインターフェイスをベースにしたデジタルシステムをお薦めします。 ハードウェア/ソフトウェアの陳腐化を考慮した3〜5年毎のマイグレーションをお薦めします。 2. 利用頻度が低く長期(永久)保存が必要な場合: マイクロフィルムをお薦めします。 3. 利用頻度が高く、かつ長期(永久)保存が必要な場合: ・電子化とマイクロフィルム化の同時変換をし、利用頻度が低下したデジタル記録は廃棄しマイクロフィルム へ切り替えます。 ・デジタル記録(電子および電子化)の利用が低下したらマイクロフィルムへ直接書込み長期保存に対応します。 4. 不測の事態(災害・事件)に対する対策は? ●事業の再開、継続に備え、他のバックアップコピー、及び保管体制(分散保管)が必要です。 ●デジタル機能のストップに備え、マイクロフィルム化をするのも一つの選択です。
文書情報管理士資格制度は、情報における環境変化に対応し、合理的かつ実務に即応した文書情報マネジメントシステム構築のためのスキルを持った人材を育成し、その能力を認定する制度です。 今までのマイクロ写真士の技術に加え、さまざまな形態の文書情報の各種媒体への入力、変換をはじめ、それらの文書情報を管理するためのシステム設計など、総合的に文書情報をマネジメントする基礎的な技術と知識の検定を行います。それは、これから文書情報に関わろうとする方のみならず、すでに実務に従事されている方も「文書情報管理士」としての必要な知識と技術的能力を認められることで、ビジネスにおける地位の向上を図ることになります。 したがいまして、その合格者には文書情報マネジメントの専門家としての権威が与えられ、今後有益な資格となります。
文書情報管理士として認定されると、「認定証書」と「証明カード」が発行されます。上の写真は証明カードです。
●資格の内容
文書情報管理士にはその能力レベルにより、上級文書情報管理士、1級文書情報管理士、2級文書情報管理士の3つの資格があります。2級試験が文書情報管理士としての基礎的な知識と技術を検定するのに対して、1級試験では専門的な知識と技術を、また上級ではさらに応用的なコンサルティングの能力までを検定します。また、上級は当該試験の申込み時点でCompTIA CDIA+ 資格を取得していなければなりません。1級は2級文書情報管理士の資格を有する者が受験資格となります。
●資格取得に必要な知識
文書情報管理士の資格を得るために必要な知識は、当協会で編集いたしました「デジタル化に対応した新しい文書情報マネジメントの基礎と応用」などをベースにします。
文書情報管理士検定試験は、毎年2回(ただし上級は1回)、全国各都市で実施されます。筆記試験のみで、実技はありません。 また、検定試験の実施1ヶ月前に、受験予定者を対象にした「受験対策セミナー」を行っています。このセミナーは、受験に必要と思われる知識の習得を目標に、2日間に渡り集中的に行われ、参加者の全員合格を目指します。