議事録は捏造だ! これは、文書管理の問題?

  第211回国会(令和5年1月召集された通常国会)の参院予算委員会で、立憲民主党の小西洋之議員が提示した議事録を総務省が「行政文書」であるとの認識を示したが、高市早苗 経済安全保障担当相は、この議事録は「捏造」であると主張を変えなかった。

 「議事録としては本物だが、内容が捏造だ!」といういう問題が、提起された。これは文書管理の問題か否か、皆さんはどう考えますか。

 この問題を文書作成の過程を文書管理、文書情報マネジメントの範囲と考えるか、文書が作成された後の保管管理からが文書管理の守備範囲と考え、対象外と考えるかいうところに行きつくと思います。当セミナーでは、文書作成の過程も文書管理、文書情報マネジメントの範囲と考えております。

 牧野二郎弁護士の第1章「経営戦略と文書情報マネジメント」を聴講した前後で、意識が変わったとの感想を受講者からも頂いております。

 「議事録としては本物だが、内容が捏造だ!」というような状態があるとしたら、そもそも文書管理、文書情報マネジメントをする意義すら薄れてしまいます。

 議事録は、誰でも身近にあります。しかしながら、その取扱いは中々に難しいところがあります。議事録には大きく分けて①会話型と②要約型があると言われています。

①会話型は、議会議事録などに適用する方法で、発言者、その発言内容を明確にする必要があるものに適用され、②要約型は、決定事項、情報共有が主な場合に適用されます。

 今回のように、「言った・言わない議論」が、発生する主な原因には以下のようなものがあります。

・認識のずれ、・記憶違い、・状況の変化

 さらには、元々恣意的に議事録を仕上げるということもあります。

 そのため、単なる備忘録ではなくなんらかの責任が伴うものは、会議に出席したステークホルダーの確認を取っていることと思います。例えば、取引先との会議の議事録で、自社内だけで確認・承認を得ただけのものは、裁判ではその証拠能力は低く扱われます。

 つまり、議事録は作成後、会議出席の他者の確認を得ることとし、また「認識のずれ、記憶違い、状況の変化」を大きくしないためにも、会議開催後、速やかに議事録を作成することが必要になります。そうは言っても「言った・言わない議論」にならないよう、事前了解を取って会議の録音は取っておく必要があります。

 そして、ストレージのビットコストの低下している昨今では、WEB会議の録画も保存するケースが増えてきています。また、音声からの文字起こし技術も発達してきているので、録画から文字起こし版の議事メモくらいまでは、あたり前のように作成し、残すようになるかも知れませんね。さらなる期待は、AIにより要約版の議事メモまで作ってくれるようになるとありがたいですね。

 そうは言っても肝心なのは、会議を仕切る人、参加者が議論をまとめるつもりで準備し、また、会議でわかりやすい説明して行くことだと思います。

 このような心、魂も文書情報マネジメント範囲内と考えて取組みませんか。

いかがですか、皆さんも自部門のレベルアップのために、文書情報マネージャー認定セミナーを受講して、基本から応用までを学びませんか。募集要項はこちら。