経営者に必要な文書情報管理の三つの基本

 文字の発明とともに文明は発達してきました。文書は、文明とともにあります。

 身近な故、文書情報管理については「みんな知っているよね。共通理解だよね」と暗黙知として浸透していると思ったり、「今更、恥ずかしくと聞けない」と放置されたりすることが多くあります。

 今回は、現代の文書情報管理における基本について、以下の3つを紹介します。

①記録の尊重

②文書ベースでの業務の遂行

③ 現状維持の姿勢は、逆に大きなリスク

1.記録の尊重

 社員全員が記録を尊重することで、公正な企業文化を形成します。

 具体的には、事実や決裁、処理の記録を「改ざん」や「隠滅」することがないように規則や社員の心、システムを整えていきます。電子帳簿保存法の電子取引データの保存要件などは参考になります。ただ、企業としてはコストと成果の見合いもあるので、個々の業務、文書に応じた管理の仕方を自分の頭で考えられるようになることが大切です。

2.文書ベースでの業務の遂行

 業務遂行の各プロセスにおいては、相手から受け取った記録を確認しながら、また、自部署で記録を残しながら業務を進めることが大切です。特に、決裁や方針決定の際には経緯も文書化して残していきます。

 特に、留意が必要なことは、残した記録の正確性、わかりやすさです。

 議事録で言えば、会議で議論した大切なことを恣意的に外したものはもはや記録とは言えません。また、技術文書で言えば、ただのメモのような情報がたくさん残っていても他者からみれば、理解不能で役に立ちません。

3.現状維持の姿勢は、逆に大きなリスク

 これは、文書情報管理だけでなく、一般論でもあります。これまでこうやってきて、今は何も困っていないから、このままで行くという姿勢は、リスクを回避していることにはなりません。同業他社または、自業界を代替する新勢力の進歩を考慮した場合、他社は前進しているのに、自社は留まるでは、相対的に言えばマイナスでしかありません。文書情報管理についても新たな方式や考え方を取り入れて、生産性や付加価値を高めていくことが必要です。

 これらを社員の方々と共有することが貴社の競争力、組織力を高めることに繋がると考えます。

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