「これからの文書情報マネジメントを考える」その1

「情報マネジメント=情報セキュリティマネジメント」の企業文化になっていませんか。

文書情報マネジメントは、言うまでもなく、企業経営を支える手段です。
しかしながら、それを主客転倒し目的化しているケースでは、従業員は意味づけがわからず、整理・整頓程度のものと受け取り、活動は形骸化してしまいます。

1.「文書情報マネジメント」と「情報マネジメント」の関係

「文書情報マネジメント」と対になるのは、「情報マネジメント」であり、「文書情報マネジメント」は、図1にように「情報マネジメント」に包含されるものです。

 

2.「情報セキュリティマネジメント」と「情報マネジメント」の関係

一方、日本国内では、「情報セキュリティマネジメント」重視のあまり、「情報マネジメント=情報セキュリティマネジメント」の企業文化になっているケースも多いように感じます。「情報マネジメント」と「情報セキュリティマネジメント」の関係も図2に示すように、包含関係にあります。にも拘わらず、これを同一視し、経営者が「情報マネジメント」をやっているつもりになると、図3に示す狭間の領域は活動が弱くなったり、漏れてしまいます。

 

3.「情報マネジメント」と「情報セキュリティマネジメント」の差異

情報セキュリティマネジメントの本質は、リスクマネジメントです。業務の中でセキュリティリスクの高いものを洗い出し、対策していきます。

それでは、情報マネジメントと情報セキュリティマネジメントの差分なっているところはどんなところでしょうか。以下に例を挙げます。

①業務の確実な実行

②業務効率向上

③社内、社外との関係でのリスク対策として必要なエビデンスを残す。

④新たな付加価値を生み出す

⑤創造の源泉とする

これらは、「文書情報マネジメント」の活動内容とも一致します。

4.「文書情報マネジメント」と「情報セキュリティマネジメント」の関係

「文書情報マネジメント」と「情報セキュリティマネジメント」の関係は、図4に示すように重なり部分を持つ関係にあります。また、文書情報マネジメントでは、リスクの高いものの洗い出し(抽出)ではなく、全ての業務に密接に結びつきます。

いかがでしょうか。「情報マネジメント=情報セキュリティマネジメント」の企業文化では、洗い出しという「もぐらたたき」が主で、業務全体の見直しに繋がらず、他社に後れを取ってしまいます。

あなたの会社でも本気で文書情報マネジメントに取組みませんか。

副委員長 溝上