文書情報マネージャー認定資格委員会 内田俊哉委員長

 

 委員長の内田俊哉です。
 2011年9月ユーザー向けの新資格構想がスタートして、委員会を発足しました。当初から委員として参画し、2013年4月に委員長として活動させて頂いています。
 単に知識を得るだけの資格セミナーではなく、同じ課題を抱えている仲間との交流を重点に置いて委員会のメンバーと議論を重ねてきました。
 現在約900名と多くの文書情報管理に思いを寄せる仲間ができました。今後はこの仲間を増やしていくことは勿論のこと、更に文書情報管理の課題を共有して、改善の意見交換ができるような場を作っていきたいと思います。
 本セミナーでは、単に文書情報管理の基本知識を得るだけの資格セミナーではなく、今、皆様が直面している課題も取り上げる実践的なものであるように講師陣一同取組んでおります。

 

1. デジタルトランスフォーメーションの推進に向けて

 デジタルトランスフォーメーション(DX)は、2025年の崖の問題を持つ一部大企業の課題と捉えれていましたが、新型コロナウィルス感染症によるパンデミックが起きて、テレワークが必須となった今、企業規模に依らず解決すべき課題と捉えられるようになりました。
 2020年は、テレワーク用のインフラ整備に追われていた各企業も業務の本質を見直さねばならないことに気づきました。これまで、文書管理、文書情報管理はともすれば、業務の後付けで考えられることが多くありましたが、業務の整備、改革に必要な事項であるとの認識が各企業に広まりつつあります。
 そのため、受講者にもDX推進のミッションを負ったDX推進部門、業務改革部門、総務部門、IT部門、技術管理部門などの方が増えてきています。(図1)

 

2.最新の課題への取組み

 クラウドストレージの利用拡大、電子帳簿保存法の改訂、電子契約など、企業を取り巻く環境は劇的に変化しております。そんな中、あくまでもユーザー目線、文書情報管理の立場から、これらに対する留意点やポイントの解説に取組んでおります。私たちが日常業務をする上で、色々な場面において文書情報が活用されており、新しい技術の利用にも文書情報管理の本質の理解が必要だとわかって頂けるものと思います。

 

3.受講生参画型の資格セミナーを目指して

 過去は東京地区、関西地区の開催で限定的でしたが、2020年9月よりZOOMによるWebセミナーが実施可能となり、以後全国どこからでも参加することができるようになりました。このことは遠方の方に取って、受講しやすくなり大変喜ばれています。
 また、セミナーの内容もただ講義を聴くだけではなく、2日間の中で2回のワークショップを企画しており、グループ討議を通じてそれぞれの抱えている課題を共有し、問題解決にも役立っている点が大変好評を頂いています。講義中の質問は勿論のこと、最終日には個別相談コーナーを設けており、他の方には語れない悩み相談会のような形で、講師の方と直接、個別面談ができるのもこのセミナーの良さだと考えています。

 

4.研究会

 認定資格者の交流の場として集合型で始まった認定資格者参加の「研究会」も2020年11月からは、ZOOMに切り替えて開催しております。「研究会」では、認定セミナーではできなかった、個別テーマに対する討論を主に行っています。単に認定資格を取って終わりではなく、文書情報管理を更に深堀りするためにも、次のような効果がありますので、是非、認定資格者となって活用頂ければと思いますので、積極的な参加を期待しています。
・個別テーマに対する深い理解が得られる。
・他社、他業種の方の考え方の違いに触れられる。
・自社も発表者として各社の意見を貰える。

 

委員会からの抱負と提言

 現在、人材育成の認定資格としてJIIMAでは2つの資格があります。
 文書情報マネージャー認定資格は、大量の文書情報を取り扱う一般企業や官公庁・自治体などで実際に文書管理業務に携わるユーザーを対象とした認定資格としてできました。
 もちろん、文書情報管理を生業としている方もユーザーの課題を知る意味で受講される方も多くいます。 企業の組織内で突然に働き方改革を実現するために、ペーパーレスを推進するなどの話が上層部から急に出てきて、その推進役にあなたが指名されたらどうしますかという話です。
 恐らくそのような経験のない方は、どこから手を付けたらよいかわからないというのが普通ではないでしょうか?
 最近の受講者はそのような境遇にあっている人が多く参加してきています(図2)。